ニュースレター No.2 (2006年8月発行) (1)(2)(3)(4)(5)
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多摩全生園医療過誤訴訟

IDEAジャパンが支援してきた「多磨全生園医療過誤訴訟」の原告、山下ミサ子さん(仮名)からお礼言葉が寄せられていますので、ここにご紹介します。
この裁判は、全生園の主治医による間違った治療で、取り替えしのつかない重い後遺症を受けた山下さんが、医療ミスを訴えて起こした裁判です。これは日本ではじめてのケースです。第一審の判決は、2005年1月31日に東京地裁で言い渡され、原告が全面勝訴しました。治療の放棄に等しい過失が行われたこと、国が主張する時効は権利の濫用であること、隔離政策によって医療までもが隔離されてきたことなどが問われました。これに対し国は控訴しました。
2006年1月31日、裁判を通じて全生園の医療を良くしたいという山下さんの願いから、賠償金の減額と引き換えに、医療の充実を条件にした和解が成立しました。

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言いたいことも言えずに、
一生を終わっていくことのないように

原告 山下ミサ子
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人に接するゆとりもなかった自分の裁判が、これほど多くの人々の声援を受けて終わったことは、皆様方の心からの熱意が通じたものと、ただただ感謝で一杯です。
病気は悪化、昔のニコニコしていた自分の顔はなくなり、無表情のまま…。病棟で多くの人々のことを見聞きし、何とかならないものかと心のすみっこで眠っていたのでした。人々にも「あなたから外に伝えてよ」と何回も言われていたものの、私ひとりの力は何ひとつとして揺り動かすことはできなかったのです。
この裁判で、療養生活していらっしゃる人やまだまだがんばれる人たちが、病気を悪くすることのない治療が実現するようにと、どこへ向かってお願いしたらよいのか、考えてほしい。
裁判所での大切な言葉を各園でもしっかり見直され、このようなことにウソ・いつわりの文章で形をつけてごまかさないでほしい。
弱い人に手をさしのべてほしい。
心の底から言いたいことも言えずに、一生を終わっていくことのないように。
何のための裁判だったのか消し去ることのないように。

ひとつ残念なことは、何人かの医療過誤を見て聞いて、お風呂で水死されたおばあちゃんや病苦で三四歳の若さで自殺したK君や他の亡くなった人への謝罪すら一言もしないで、退職金もらってやめていった小関氏に対し、私は許すことのできない深い哀しみを持ったままでおります。
謝罪は誰がどこでするべきなのか。できない理由は何なのか、知りたいです。
どうか今後療養所が一歩づつ前進して安心した医療ができますように。大事な療養所であればそれなりのドクターもいてほしいものです。二度とこのようなことがないように祈るばかりです。
弁護士さん方・支援の会の人たち、本当にご苦労さまでした。ありがとうございました。
(2006年5月13日発行の「多磨全生園医療過誤訴訟 ニュースレターから」

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