ニュースレター No.3 (2007年2月発行) (1)(2)(3)(4)(5)(6)
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信州の旅

会員 門屋和子

香川県は高松にある国立療養所「大島青松園」 其処に、私がお父さん・お母さんと慕う東条さんご夫妻がいらっしゃいます。 初めて、大島を訪ねたのは3年前の2月、四国とはいえ寒い日のことでした。 、サンポート高松から船に揺られ約30分大島の桟橋に着くと、 不安で一杯だった私を迎えてくれたのが、東条さんご夫妻の優しいの笑顔でした。 それから、息子を連れて何度かお邪魔させて頂いてるうちに、 何時しか親子のような気持ちに・・そして、是非一度信州の娘の所に遊びに来る気分を 味わって欲しいと思いはじめ、慎重に計画を立て・10月7・8・9日に実現する事に 7日早朝に大島を出発した東条さん夫妻・同じ入所者の方で大西さんと付き添いの方の4人が 高松から岡山まで快速電車で、岡山から名古屋まで新幹線に乗り其処から特急「しなの」に乗り換え 長野へ・・ハンセン病の後遺症で、目の不自由な奥様と少し痴呆症が出ている友人とご自分も 後遺症で不自由な体でこんなに、何度も乗り物を乗り換えてこうした旅行は初めてとの事 どんなにか大変な思いで決心して来て下さったかと思うと胸がつまる思いでした
▲右から門屋和子さん、東条高・康江夫妻、大西義明さん、門屋義さん/06年10月
丁度、主人も休暇でおり、多磨全生園で介護士をしている息子にも来て貰い全力を尽くしての 受け入れ体制で迎えることが出来、 前より、長野善光寺にお参りしたいとの意向もあって、まず最初に善光寺さんへ・・ 其の日は、温泉にユックリ浸かって欲しいと思い、乗鞍温泉へ・・宿のご主人・女将さんの 暖かい御もてなしを受け貸切の温泉で疲れを癒して貰え・・ よく8日は松本城で開催された、新蕎麦祭りへ・・信越放送のニュース特報で放映したいとの ことで2時間に及ぶ取材で 東条さんは、「ハンセン病はうつらない病気・恐ろしくない病気 治癒出来る病気と言う事を皆さんに理解して欲しい」と訴えていらっしゃいました。 (この模様は、8日夕方の信越放送イブニングニュース「キャッチ」と翌9日朝のニュースと2回放映されました。) その後に、日本一と言われる「大王わさび農場」へ行き、皆でわさびアイスをたべたり岩魚の塩焼きを丸かじり したりと、童心に返って楽しみ・・滅多に見る事の出来ない、雪化粧した白馬連峰に感動し、 夕方から、私の住む波田町の親しい友人が歓迎会を開いて下さり、信濃毎日新聞の記者の方も参加し 席上東条さん夫妻は「看護師も感染を恐れ患者同士で互いに注射をしたりした」と隔離政策の時代の 生活を語ってくれ、集まってくれた方達も「初めてお会いしたけど、何の違和感もない、今度は、是非 講演会をして欲しい」と交流を深め、再会を約束して松本の宿へ、其処の女将さんはじめ従業員の皆様にも 暖かく迎えてくれて本当に感謝しております。 9日信州滞在も最後、朝9時50分の特急「しなの」に乗り大島に向かいました。 お父さん、お母さん、来てくれたことを本当に感謝します、少しでも親孝行が出来たでしょうか? 楽しんで貰えたでしょうか?何時までもお元気で・・又信州に来て下さい、此処は娘の家です何時でも待ってます。

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