ニュースレター No.18 (2014年09月25日発行)
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ご 挨 拶

理事長 森元 美代治

猛暑日が続く中,連日各地で局地的な集中豪雨による崖崩れや土砂災害に襲われ、多くの被災者が続出しておりますが、会員の皆様にはいかがお過ごしでしょうか。お見舞い申し上げます。年ごとに形を変えた天災被害は増大しつつあります。山間地であれ、都会であれ、いつわが身に災難が降り掛かってくるか分かりません。常日頃、気象情報に留意し、防災に務めましょう。


▲栗生楽泉園にオープンした重監房資料館
谺雄二さんの悲願が実った

この5月に草津で開催されたハンセン病市民学会で、神美知宏・全療協会長と谺雄二・全原協会長が相次いで逝去されたというニュースに、参加者は言葉を失いました。国賠裁判以降、ハンセン病問題の最終解決を目指し、全身全霊を込めて先頭に立って闘ってきた2人のリーダーの死を無駄にすることなく、遺志を引き継いでいかなければなりません。

さて、前号のニュースレターで私の健康上の理由、会費収入の減少から寄付金に頼らなければ活動が困難になったこと等から、 NPOとしてのIDEAジャパンは、本年5月の総会を経て、7月いっぱいで閉じたい旨お知らせしたのですが、去る6月7日の総会において、諸事情を考慮した結果、NPO・IDEAジャパンの活動は2015年3月31日まで延期することになりました。

その主な理由の一つは、かねてから懸案だった、佐久間建理事の研究論文の出版にIDEAジャパンが協力する事業が現実化しつつあるからです。佐久間理事は、東村山市立青葉小学校や野火止小学校で教員として奉職されていましたが、ハンセン病問題に熱心に取り組まれ、全生園の入所者や私など退所者を講師としてたびたび招いて、子どもたちにいじめや差別など人権問題について考える機会を与えてくださり、また全生園周辺の空き缶やゴミ拾い等環境整備、緑化活動にも協力し、全生園祭や多くの行事に子どもたちを参加させ、入所者との交流を積極的に図ってくださいました。

このような佐久間理事の教諭としての活動は高く評価され、東京都より特待研修生として上越教育大学大学院に2年間留学されました。その間,沖縄から青森まで全国13の国立ハンセン病療養所を訪問し、教育関連の資料を徹底調査。ハンセン病の歴史の中で、教師がハンセン病を病む子どもたちとどのように向き合い、何をし、何をしてこなかったかを検証し、まとめた論文です。これまで例を見ない分野の著作と言えるでしょう。教育問題がいろいろ論じられている昨今,教育関係者だけでなく、広く一般市民にもぜひ読んでいただきたいと考え、IDEAジャパンは出版に協力することにいたしました。

編集・校正を重ねた結果,素晴らしい原稿が出来上がり、幸いなことに出版社も決まり、本年度中には発行される運びとなりました。その出版費用が確定し、会計処理が終了するまでIDEAジャパンの活動を続ける必要があります。

次に、皆様のご協力でIDEAジャパンがこれまで活動を続けてこられたことに感謝し、記録集『NPO・IDEAジャパンの歩み(仮題)』を発行する予定です。この記録集の発行、配布、会計処理を3月31日までに終了する予定です。

主にこの二つの事業を完了し、残務処理を終えた後,NPOのIDEAジャパンは解散し、改めてNGOのIDEAジャパンとして再出発しようと考えています。このような諸事情をご了解いただき、さらなるご協力・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


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