ニュースレター No.16 (2013年09月25日発行)
ニュースレター No.16 Topへ >> ニュースレター No.16 記事(1)

ご 挨 拶

理事長 森元美代治

9月に入ってやっと秋めいてまいりましたが、会員の皆様にはいかがお過ごしでしょうか?

本年4月6 日、多磨全生園コミュニティーセンターで、「春うらら・講演&コンサート」がIDEA ジャパン、ハンセン病問題を考える有志の会(カトリック・グループ)、多磨全生園入所者自治会の共催で行なわれました。当日は関東に嵐吹く大荒れの日でしたが、参加者は320 人を越え、会場が満員になりました。IDEA ジャパン会員の皆様にも多数ご参加いただき、ありがとうございました。

第1部の講演には、ハワイのカラウパパ療養所入所者をはじめ、世界の回復者の聞き取りを40 年以上も続けている歴史家のアンウェイ・ローさんを講師としてアメリカからお迎えしました。アンウェイさんは、IDEA が発足した1994 年から国際コーディネーターとしてご活躍で、今回の講演は「ハンセン病のいま〜歴史保存と人権の確立をめざして」というテーマでした。世界各地に残るハンセン病施設と入所者の現在、周辺住民の係わり方など、長年に渡って取材してきたハンセン病の歴史を豊富な写真を使って分かりやすく解説してくださいました。

第2部は、活躍中のシンガーソングライターの沢知恵さんのコンサートです。沢さんはキリスト教の牧師であるご両親に連れられて、6 歳のころから瀬戸内海にある大島青松園(高松市)を訪れていました。東京芸術大学を卒業後、全国でのコンサート活動のかたわら、青松園でコンサートを続けています。沢さんは、入所者で著名な詩人、塔和子さんの詩に曲を付けた弾き語りで、観客に感動と音楽の素晴らしさを満喫させてくれました。

また、初めてのイベントでしたが、6月16 日、IDEA ジャパン、多磨全生園入所者自治会、笹川記念保健協力財団、JANNET(障害分野NGO 連絡会)の共催で『隔離から共生へ ハンセン病療養所の「内」と「外」から社会を変える』をテーマにシンポジウムを開催しました。講師は鈴木禎一さん(ハンセン病首都圏市民の会代表)、私(IDEA ジャパン理事長)、高久洋子さん(ハート相談センター相談員、ソシャールワーカー)、佐久間建さん(都立武蔵台学園府中分教室ひだまり学級教諭)、村上絢子さん(フリーライター)で、それぞれがハンセン病とのかかわりについて述べたあと、質疑応答が熱心に行なわれました。初めての参加者も多く、またIDEA ジャパンの会員も多数参加されて有意義なイベントであったため、今後もこのような学習会を持ちたいと主催者の世話人たちが話していました。

さて、IDEA ジャパンは来年8月に設立10 年目を迎えます。これまで会員の皆様の絶大なご支援により国内外において多岐にわたる活動を行うことができました。10 年という大きな節目を機に、IDEA ジャパンの今後について役員会で話し合って決めたいと考えています。


次の記事を読む
記事(1)へ 記事(2)へ 記事(3)へ 記事(4)へ 記事(5)へ
ページTOPへ

関連記事